男装ホスト.Lie ~私の居場所~




あの後、味もよう分からんとデザートまで完食して。



平然な顔でコーヒーを啜る捺生さんをチラ見する私の顔はきっとずっと赤かった事だろうと思う。















凌「お嬢様」


『…』


凌「…」


『……』


凌「お嬢様!」


『ひゃ…!!』












気づいたら凌さんの顔が目の前にあった。
















『何ですか…びっくりした』


凌「無視とは良い度胸ですね。…入浴の時間がいつもより長いと思って遠慮しておりましたらいつ部屋にお戻りになられたのですか?」


『いつ…だろう』


凌「頬はまだ火照っておられる様ですがこんなに冷えて…髪の毛も乾かさずに何をやっているんですか」


『…ああ』


凌「ああ、じゃないですよ。全く…ほら、こちらに背を向けてください」


『え?』


凌「え?じゃなくて。早く」


『…あ、自分で乾かしますよ』


凌「いいから」



















呆れた様な、怒った様な凌さんの顔に、私は素直に彼に背を向けてベットの上で座り直した。



髪に触れる凌さんの手の感触を感じつつ、それでも考えていたのは捺生さんの事だった。












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