男装ホスト.Lie ~私の居場所~




凌さんに寝る、と言ったものの寝付けず、もう何度目かの寝返りを打った時だった。






コンコン、とドアを叩く音が部屋に響いた。











『…七瀬さん?』


悠「…俺だ」


『…』


悠「入っていいか」


『…はい』















暗い部屋に外の明かりが侵入してくる。




一緒に入ってきた人影はスーツのままの義兄だった。














悠「すまない。寝ていたか?」


『はい…』














嘘。




寝てはいなかったけれど。













悠「お前に言っておきたい事があって。少しだけいいか?」


『あ、はい…』















断れる権利など無いと知っていて彼はこう言うのだろうか。




何にせよ、早く出て行って。















.
< 396 / 443 >

この作品をシェア

pagetop