男装ホスト.Lie ~私の居場所~
光「…取り戻すって言ったって。一回失敗してるじゃないですか」
慎「真っ正面から行っても駄目なら方法を変える。その一段階が店を潰す事や」
隼「…どういう?」
比「敵に付け込まれる弱点をこっちから棄てるって事。店を潰すって言われたら、翔央は好きに動けんやろ」
晴「…それで、それから?」
慎「本物の五十嵐菜穂を、炙り出す」
晴「五十嵐菜穂、さん?」
雅「翔央、…莉依ちゃんが身代わりになってる女の子の事。生死は不明」
光「え、事故で死んだって…」
雅「事故に遭ったのはほんまやって。ただ、それが原因で死んではいない」
隼「何でそんなんお前が知っとんねん」
雅「偶然やけど。そん時運ばれたのが俺の父親が経営する病院だったらしい」
由「…連絡取ったん」
雅「ん。ちょっと思い当たって。ビンゴやった」
本物が見つかれば。
そうすれば莉依は必要なくなるはず。
解放、されるはず。
慎「…捺生が正式に結婚する前に、早急に。探偵は何件か雇って動いてもらってる」
由「そんなんで出て来ます?」
慎「分からん。ただ、2ヶ月で必ず手掛かりを見つける」
…彼女がもし死んでいたら?
そんな疑問を口には出来なかった。
せっかく見えた切り口が、また塞がってしまうような気がした。
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