男装ホスト.Lie ~私の居場所~
慎「…どいつもこいつも、辛気臭い顔見せんな!ええか、明日から閉店セールやからな、いつもの倍は稼いでもらうで?」
雅「倍って…」
慎「冗談ちゃうで?探偵料金も払わなならんし、お前らが頑張らんかったら最後の賃金出さんからな?」
隼「え…」
本気とも冗談とも取れる慎さんの言葉に雅さんが苦笑すると、そう重ねた。
いくら翔央の為とは言えタダ働きは困る。
慎「せやから!…全員、笑って明日から臨め。今までの感謝込めて、最高のもてなしすんねんぞ?」
比「…無償奉仕なんてごめんやで。負け試合続けるのもな」
由「お給料はもらうし、翔央も取り戻す。取られたら取り返す。当たり前やんな?」
光「…そう、ですね。今までご愛顧いただいたお客さんの為にも、いつまでも下ばかりむいていられませんね」
雅「そう、やなぁ…。No.1の意地、最後まで見せたらんとなぁ」
隼「アホ抜かせ!有終の美は俺が飾るんや!首洗って待っとけ!…ほんで!りぃは誰にも譲らんからな!ぜってー取り戻す!」
口々に各々好きな事を言う先輩たちに、ネガティブな気持ちも薄れて思わず笑みが零れた。
隼「何笑っとんねん?」
晴「いや、何か…心強いなって。俺も頑張りますね、明日から」
自分の為に。
みんなの、…翔央の未来の為に。
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