男装ホスト.Lie ~私の居場所~
ひとつの決意
捺生さんとの婚約の話が順調に進んでいるのか、当事者であるはずの私が知らないなんておかしな話やと思う。
自覚もないまま、毎日を過ごしていた。
そんなある夜、部屋に凌さんが訪れた。
凌「…菜穂様。失礼します」
『あ、はい』
凌「捺生様から連絡が。明日、また食事でもと。大学の講義の後、そのまま大学まで迎えに来てくださるとの事です」
『え、あ…はい』
凌「帰りも送ってくださるとの事ですので。遅くなる様でしたら連絡ください」
『…分かりました』
一人で学校から帰る事なんてまず許されなかったのに。
捺生さんが相手だから?
まだ、返事をしていない事にふと気づいて急に緊張する。
なんていえばいい?
よろしくお願いします?
…変な感じがする。
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