男装ホスト.Lie ~私の居場所~




次の日の学校終わり。




連絡手段も無いのに落ち合えるのかそわそわしながら校門に向かう。




と、













捺「…お疲れ」




『お、お疲れ様です』













スーツを着た捺生さんが、車にもたれかかって手を挙げた。













『待たせちゃいました?』



捺「あんま。腹減ってる?」



『あ、はい』



捺「気張らんとこ行こ。人あんまおらんとこ」



『はぁ。』



捺「やらしい意味ちゃうで。あんま騒がしく無いとこって意味な。…ほら、はよ乗れ」



『あっ、…すみません』



捺「ん」
















待っている間も注目されていたのにげんなりしたのか、車のドアを開け早よ、と誘導される。




周りで捺生さんを遠巻きに見ていた女子の視線が痛い。

















車の中に捺生さんも乗り込み、音も無く発車する。




特に会話するでもなく、夕焼けをただただ見つめていた。








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