男装ホスト.Lie ~私の居場所~
『…えと、ここはよく来られるんですか?』
捺「家出てた時は控えてたけど昔はよく来てたな。俺にとってのお袋の味や」
『さっきの方…結局挨拶ちゃんとできませんでした』
捺「ああ、高梨さんな。昔っからおんねん。俺がガキの時から知ってるからな、話出したら止まらんしええって。…でも、そやな」
『…?』
捺「高梨さんにはちゃんと紹介しときたいわ。…で、何て紹介したらええか困るから、返事欲しいねんけど」
『…え、』
捺「俺が短気なの知ってるやろ。待てる方ちゃうねん」
『と、言われましても…』
そんな感じひとっつもしなかったのに、いきなり核心突いてくるなんて…心の準備が…っ。
捺「後二ヶ月。したら婚約披露宴がある。そこまで来たら後戻りは出来ん。でもまだ、今なら白紙に出来る。お前がNOと言えるのは、今だけなんやで?」
『え…』
あ、私が何も言わなくても。
ううん、何も言わなかったら。
結婚、する事になるのか…。
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