男装ホスト.Lie ~私の居場所~
そんなの…嫌だ。
流されて、結婚。
そんなの、捺生さんにも失礼過ぎる。
けど…
まだ、私は決め兼ねている。
『…正直な話』
捺「ん」
『捺生さんと結婚するって言う、想像が出来なくて』
捺「そんなん俺もや」
『捺生さんが、私を好きだって言うのも信じられないし』
捺「そんな、嫌でも自覚させたるわ」
『外で家に縛られる事なく…捺生さんには自由に生きてもらいたいし、』
捺「そのままそっくり返す。俺かてお前にそう思ってたよ」
『巻き込む訳には、』
やっぱり、辿り着くのはここで。
私のせいで、捺生さんを縛り付ける訳にはいかない、その思いが消えない。
どんどんネガティブになって行く思考を遮る様に、捺生さんの怒声が響いた。
捺「チッ…だからそれやめろや!こちとら男が腹くくってんねんぞ?嫌いなら嫌いって言えや!」
『嫌いじゃなっ…!』
捺「なら、受け入れろ!幸せにしたるから。絶対、一人にはせんから!俺が、お前の居場所をつくるから」
『…っ』
数ヶ月前には想像も出来なかった。
捺生さんから、そんな言葉がもらえるなんて。
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