男装ホスト.Lie ~私の居場所~




「何!?菜穂が控え室に居ないだと」





狸親父が狼狽えているのを見て寸前まで笑みが込み上げ慌てて押さえ込んだ。



もう、来賓も揃ってるのに大変やなぁ。








「五十嵐様。お時間ですがいかがなさいましょう」


「あの女…逃げたのか。小賢しい…ッ 招待客をこれ以上待たせる訳に行くまい、なに…この厳戒態勢の中から逃げきるなど出来ない筈だ…、予定通り始める!そう進行に伝えろ」


「承知いたしました」








逃げ切れる訳、ないわけあるか。



あいつには俺らがついてる。



そんで、あんたはここで終わるんや。











「失礼いたします。藤原様、よろしいでしょうか。進行について一点変更がございます」








スタッフとして潜入した俺は、捺生さんの元に向かう。結局この人に接触するのは当日になってしまった。







「はい。どうぞ」


「失礼いたします」






おや、まぁこれは。


いつも以上にええ男やな。








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