男装ホスト.Lie ~私の居場所~
『……?』
いつになっても訪れない痛みに、恐る恐る目を開ける。
晴「セーフ……」
『は、る…』
至近距離には晴樹の顔。
いわゆる“お姫様抱っこ”で受け止めてくれたらしい。
『あ、ありがとう』
晴「危ないやんか、いきなり振り向いたら」
『…晴樹が声掛けるからやん』
晴「だって…アレ」
『アレ…?』
指された方を見ると、壁に掛けられていた装飾品が下に転がっていた。
あぁ、これにぶつかっても痛かったな。
『…なるほど。重ねてありがとう』
晴「いーえ♪」
『…』
晴「ん?」
『降ろしてくれへんかな?』
晴「…あぁ!」
天然やな…この男。
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