男装ホスト.Lie ~私の居場所~




「…なぁ」








急に真面目な顔で声を潜める慎さんに首を傾げる。








『なんですか?』



「支障ない?」



『え?……あぁ、はい』



「そうか。…まぁ気ぃつけるんやで」








そう言って慎さんは私の頭をポンポン叩いて店に入っていった。




何も考えてなさそうで考えてくれてるんやろな。


















…私は2ヶ月前に慎さんに声を掛けられこの店で働く事になった。




家を飛び出しそれまで長かった髪を切り落とした私を男だと間違っての事だったけど。




正直に素性を告げた私を、彼は受け入れてくれた。




住まいも提供してくれて……手違いで晴樹とルームシェアすることにはなってしまったけど。




本当、地獄で仏…私にとって慎さんは恩人やった。








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