男装ホスト.Lie ~私の居場所~
『す、すみませんでしたっ!』
普段と変わらない凌さんの態度が逆に怖くて、立ち上がって深く頭を下げた。
もうこっちは必死だし本気。
なのに、いつものぼーっとした声が下から聞こえた。
凌「ほぇー?何が?」
『いや、だから…女だって…黙ってて…騙してて…』
凌「騙してたん?」
『そんなつもりじゃ…なかったんやけど』
凌「うん、だって翔央自分の事男やとも言うた事ないやん?」
『まあ…そうですけど』
凌「騙してないやん?別に男だけがやる仕事ちゃうと思うし。俺はな」
気が抜けて行くのが分かる。
何、この人…
『…怒ってないんですか?』
凌「怒る?何で」
『だから…っ』
凌「うーん…俺知ってたしなぁ。翔央が女の子やって」
『…えっ!?』
今、何て。
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