王子様なんか大っキライ!
でも行かなきゃ。
私は椅子から跳びはねるように立った。
そしてダッシュをした。
「走るのは禁止よ!」
司書の怒鳴り声が聞こえたような気がする。
でもどうでもいい。
図書室のドアを抜け、廊下を走り階段を駆け抜ける。
おでこに汗を滲ませながら思いっきりスカートを翻す私。
「あれ、私青春してんじゃん」
窓から差し込んでくる夕陽に照らされた廊下を走る女子高生。
青春映画のワンシーンみたい。
思わず笑いそうになる顔を、キュッと引き締めた。