王子様なんか大っキライ!
夏、屋上で。
「おい」
「おい、荒川夕佳」

私をよぶ甲高い声。声が段々と、はっきり聞こえてくる。
「おい、大丈夫か?」
三回目の呼びかけを聞いて、私は目を開けた。

「うわっ」
私の悲鳴が鳴り響く。そこには黒沢がいた。
どアップで黒沢の顔を見た私は悲鳴を上げると、すぐさま立ち上がる。

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