王子様なんか大っキライ!
「島根さとみ」

ディスプレイに表示される文字。 私は叫びそうになった。

やっぱりさとみだ!
通話ボタンを押すと、携帯を耳に押し付ける。

「さとみ!あんた今どこにいるの!」
私は叫んだ。

先生は話をやめ、生徒が一斉に私を見た。でも私は叫び続ける。
「さとみ!」
「助けて…」
「え?」
とても弱々しいさとみの声。

「もう嫌、助けて…夕佳ちゃん」
「助けるよ!あんたは私が守るから!どこにいるの」
私は叫び続ける。

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