王子様なんか大っキライ!
先生は教壇を下りてこちらにゆっくりと歩いてくる。
多分何回か私を注意したのだろう。


でも先生の怒鳴り声より、さとみの声を聞かなきゃいけない。
「ホテル…駅前のホテルにいる」
ホテルという単語。私はさとみが何をしているか感づいた。と同時に拳を握りしめた。

「部屋の番号は303。あとは…、ヤバい、もう切らなきゃ、早く来て!」
「わかった!すぐいくから!」
電話はそこで切れた。

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