王子様なんか大っキライ!
私は太ももを高くあげ、足を素早く回転させる。
翻れるスカートなど気にしない。
流れる汗も拭わない。
私は太陽が降り注ぐ廊下を風のように駆け抜けた。

下駄箱で靴をはきかえ、再び走り出す。
鞄を忘れたのに今気づいた。
でも戻らない。戻ったら先生の説教が待っているだろう。
説教なんて後で受けるさ。

下駄箱を出ると、直接日差しが降り注ぐ。雲ひとつ無い夏の空だ。私が走り出すと、いつも通り太陽が追い掛けてきた。
< 181 / 204 >

この作品をシェア

pagetop