王子様なんか大っキライ!
「ハァハァ」

私は肩で息をしながら走る。走るとはいってもジョギングのペースだ。
もう太ももを高く上げることはできない。

すでに田んぼは消えた。道の脇にはラーメン屋や飲み屋が立ち並んでいる。
でも店に立ち止まる人はいない。夏の日中なのに、ここは薄暗い感じだ。

その真ん中を歩道兼車道が通っている。でも車はやっぱり通らない。
おばさんとか、学生とかが車道の真ん中をどうどうと闊歩している。
私は彼らを避けながら走っていく。


そしてこの通りの中に…。私は立ち止まった。
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