王子様なんか大っキライ!
「ごめんなさい…」
「はぁ?」
「ごめんなさい。俺にはお金が必要だったんです…。俺は貧乏なんです」

「中学から私立にいってる奴が貧乏なわけないだろ」

「そうなんです。だけど俺は貧乏なんです。
母親が頑張って俺を私立に入れてくれたんです。体を使って…」

いつのまにか神内の瞳には涙がたまっていた。
そのしずくが眉間から流れる赤い血と混ざり合う。

「だから、もう母親にそんなことしてほしくないから」
「だから?」

「さとみとか、俺に言い寄ってくる女を使ったんです」
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