王子様なんか大っキライ!
あの夏の日の、終わり


「はぁーあ」

わざとらしいため息が四畳半の部屋に広がって消えていく。

ベッドに大の字になって天井を見上げている私。

真っ白な天井を見つめていると、こんな感じで昔のことを思い出してしまう。

天井をスクリーンに見立てて、思い出すあの夏の日。

「別に楽しい思い出じゃないのに」


私はギュッと目を閉じると意識を飛ばして、夢の世界に旅立とうとした。

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