王子様なんか大っキライ!
「ちょっと、ごめんね」

突然後ろから声をかけられた。
振り向くとそこには、王子様がいた。

優しく微笑むその顔は、庶民にも慈悲の気持ちで接する王子様。
二人の顔の距離は10センチもない。

つまりもう少しでキスができてしまう距離。
こんな近くで彼の瞳に見つめられて私は動くことができない。

蛇ににらまれた蛙、
というよりハートを射抜かれて絶命してしまったのかもしれない。
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