王子様なんか大っキライ!


女は微笑みながら私を見つめている。

肩まで伸びた黒髪が印象的な美人だ。


慌てて、私は頷いた。
女はそれを確認すると、音を立てずに席に座った。


すると再び私に話しかけてくる。

「名前なんて言うの?」

「荒川」

「下の名前は?」

「夕佳だよ」


「よろしくね、夕佳ちゃん」
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