王子様なんか大っキライ!
でも彼の瞳は私から離れてしまう。
彼は半身になって私をよけると再び歩き出した。
肩まで伸びた黒髪を揺らしながら彼は去っていた。

このとき私はようやく気づいた。
生徒たちが見ていたのは私じゃなくて、
この王子様だったんだ、ってことに。
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