王子様なんか大っキライ!


「いつも、さとみと仲良くしていただいてありがとうございます」

妙に丁寧に言うと神内は頭を下げた。

「いえいえ、こちらこそ」
すると春香も頭を下げた。

「なんか結婚報告みたい」
さとみがそう言って笑った


「え、私がさとみのお父さんなの?」
「うん、そうだよお父さん」
「よろしくお願いします」

今度は深々と神内が頭を下げた。

「ちょっと、やめてよ」
戸惑う春香を見て、さとみも神内も笑った。


私も合わせて笑ってみる。
でもすごく不自然な笑みだろう。

早く神内に消えてもらいたい。

早く消えてくれ。
< 56 / 204 >

この作品をシェア

pagetop