弟のくせに...。
年下の彼
新津届(にいつとどき)
あたし、香坂すみれ(こうさかすみれ)が彼を初めて知ったのは、ラブホの前だった。
「放してよバカッ!!サツ呼ぶよサツ!!」
「少し黙ってろよ」
ちょっぴり騙されてしまった結果、ラブホに入りそうになってしまったあたし。
ぐいぐい男の力で引っ張られたら、もちろん抵抗なんてムダであって。
「放せーっ!!」
そこらにいる通行人はみて見ぬ振りで役にたたない。
そこのおばちゃんでもいいから、誰か救いの手を差し伸べてー!!
そんな際どい時だった。
「その人、俺ももらいたいんだけど」
・・・救い……の手……?