弟のくせに...。


勢いよく開けた保健室の扉。

中には先生も生徒も、誰もいない。


「……よかった」


それを言うと共に流れ出す涙。

もう、押さえ込むのも限界だった。


あたしは一番窓際のベッドに寝転んだ。

どんどん涙が溢れてくる。


「届、なのに……。」


そうボソッと呟いた言葉に。


「俺がなに?」


返ってきた返事。
< 17 / 88 >

この作品をシェア

pagetop