弟のくせに...。


「それは……」


言えない。

届が好きだからとか、驚き通り越して頭が真っ白になったとか……。


「い、忙しかったんだよ」

「ぼーっとしてたって兄貴が言ってたけど」


真逆!!

あたしの嘘と翼くんの本当の話が真逆じゃん!!

説得力ねぇっ!!


「ホントにアンタなんなの?」


呆れたような声。


「ごめん、ちょっとおかしくなってただけだから」


本当のことだけは言えない。

それだけは……。


「じゃ、俺のこと……」


嫌われたくない。


「スキなの?」
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