弟のくせに...。


「まぁ、俺にとってはいつもと変わんねーし」


そう言って彼はただ少し先を歩いている。


年下のくせに、生意気。

でも、なんとなく優しさを感じた。


それは、あたしのお願いを聞いてくれたからかな?

あたしの夢を叶えてくれたから?


届の考えはわからない。


「また泣かれても困るしな」


届が逃げるとあたしは泣く。


それは学園祭の時の話なのに。

もう2ヶ月以上経ってるのに。


未だに守ってくれてる。


"逃げねーよ"


あれから呼んだら殆ど来てくれたけど……本当は嫌……だよね?

面倒くさいんだよね?
< 48 / 88 >

この作品をシェア

pagetop