弟のくせに...。


「クリスマスに。付き合ってはいないみたいだけど、もう諦める」


その言葉に反射的に言ってしまった。


「なんでっ!?」

「あ?あんた俺が好きなんじゃねーの?喜ばねーの?」

「だって……諦めるなんて……」

「もう柚縷……花音の好きな奴には諦めるって言っといた。てか……あまりに長期戦だったからもう疲れた」


疲れた……好きよりそっちが勝ったの?

ちょっと、悲しい。


「予想外の反応」

「……うん、帰る」

「そうか」


届と違う道に進んで帰った。

なんでもやもやするんだろ?

そっか、簡単に諦めちゃうって思ったから。

あたしも簡単に諦められちゃうんじゃないかって心配してるんだ。

でも、心の奥にしまっておいた。
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