初恋は君のために
遅刻しない程度に
家を出た私は、
すでにザワつきを取り戻した通学路を歩き始めた。
ちょっと涼しいくらいの風が心地良い
「ねぇ君っ」
ゆったり歩いていた私は
そんな浮ついた声で
私の横を付けるバイクへ視線を移した。
「これから学校?」
いつもなら無視するのに
「そうだけど、」
「ねぇ 学校行くのやめて俺と遊ばない?」
私のちっぽけな心は
「いいよ」
そんな誘いに乗ってしまうほど
自分を見失っていた…