初恋は君のために



家を出てから
かなりゆっくり歩いた
私だったけど、



7時30分には
学校前の大通りに
着いていた。



「みーなみっちゃん!!」


最近は外で名前を呼ばれるのになれた。



今までは、自分の名前を忘れるほど名前なんて呼ばれなかったから。




家族以外で私の名前を
呼ぶ人なんていなかったのに…




アズマが私の名前を
呼んでくれるから、



少し嬉しい気もした。



私が歩いている道の
脇をゆっくりと進むのは


「アズマ早いね?
もぉ学校行くの??」



制服姿のアズマ。




「遅刻まのミナミちゃんこそ早いじゃん!!災いがおきるとか!?」



アズマはクスクスと
イヤミに笑った。



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