初恋は君のために
しばらくジンさんから
目を離せなかったけど、
真っ黒な瞳をジンさんが閉じると
何かが解けたかの
ように
私はドアノブを回した。
倉庫の中をぐるりと
見渡すけど、
アズマの姿はない。
「あれ?ミナミさんどうしたんすか?」
その代わり、
真が私に話しかけて来た。
「…アズマ」
「あぁ!!アズマさんならさっき健太と偵察に行きましたよ!」
さらりと答える真は
何かアズマに似ている。
てか、
偵察って何だよ。
アズマと健太は探偵か?