ママのスキャンダル!
ハロウィンではどんな仮装をしようか。

そんな話題が学校で多く出るようになって、同時にどこのパーティーは豪華だとか、そんなことも聞くようになった。

「日本で仮装って言ったらどんな格好するの?アニメキャラとか?」

シンディの言葉に、あたしはちょっと考えた。

「そういう人もいるけど・・・・・。普通に魔女とか、お姫様とか、妖精とか・・・・・女の子はそういう子が多いかも。こっちと違ってみんなが仮装するわけじゃないし」

「そうなんだ。こっちでは、日本のアニメのコスプレしてる人もいるよ。それに『ジェリー・ナイト』の仮装する人も」

「ほんと?でもあたしがそれやったら仮装って言わない気がする」

「確かに!」

2人できゃっきゃと声を上げて笑っていると、誰かが横に立つ気配が。

「楽しそうね」

そう言ってにっこりと微笑んだのはソフィアだった。

「あなたたちを、パーティーに招待したいんだけど」

ソフィアの言葉に、あたしとシンディは顔を見合わせた。

「パーティーって・・・・・」

「学校の友達や、パパやママの友達も来るわ。あなたたちも誰か誘ってきていいわよ」

「ソフィアの家のハロウィンパーティーはとっても豪華なのよ!あんたたち、招待されるなんてラッキーだと思わなきゃ!」

ソフィアの後ろにいた取り巻きの1人がまるで自分のことのように自慢げに胸を張った。

「でも、聞いてみなきゃわからない。パーティーなんて行ったことないし」

あたしの言葉に、ソフィアは微かに馬鹿にするような視線を向け、笑った。

「じゃあ、あなたのママやパパも一緒に来ればいいじゃない。ハリー・ローランドがきたらそれこそみんなに自慢できるわよ」

「・・・・・ハリーは、そういうパーティーはあんまり好きじゃないって言ってたから、行かないと思う」

「でしょうね」

そう言ってソフィアが鼻で笑った。

「あなたのママとハリー・ローランドは本当はうまくいってないってもっぱらの噂よ。大スターハリー・ローランドの本命は13歳のあなたじゃないかってね!ハリウッドスターがロリコンだったなんて、大スキャンダルだわ」

その言葉に、あたしはガタンと椅子を蹴って立ち上がった。

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