ママのスキャンダル!
ただ問題は、その映画はアメリカの映画で、当然撮影もアメリカでやるだろうし、応募の条件として、簡単な英会話ができることというのがあったのだ。

小学1年生から3年間だけ通っていた英会話。

もうほとんど覚えていないけれど・・・・・

今からまた勉強すれば、少しはましかもしれない。

あたしは勢いに任せてママに頼み込んだ。

ママはちょっと驚いたけれど・・・・・

「沙羅がやりたいなら、やってみれば?」

そう言って笑ってくれたのだった。

すぐに写真を送り、待つこと約1ヶ月、ドキドキしながら開封した書類審査は無事合格することができた。

そしてその1ヶ月後、二次審査を受ける。

びっくりするくらいたくさんの人であふれたオーディション会場。

世界中で大ヒットした冒険ファンタジーのハリウッド映画。

シリーズはすでに9作まで公開されていて、10作目という節目で、映画の主人公である魔法使いの男の子が成長し、その娘が新たに魔法使いとして冒険するという展開になっていて、今回のオーディションはその主人公の娘役の女の子を選ぶためのものだった。

なぜ東洋人の募集かといえば、その主人公の魔法使いの男の子と結ばれるのが東洋人の女の子だからで・・・・・。

こんな大きなチャンスを見逃す手はないと、応募が殺到したらしい。

もちろんあたしもその1人なんだけれど・・・・・。



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