ママのスキャンダル!
ソフィアの家は、とても大きくて立派な豪邸だった。

「父親が、会社の社長だとか言ってた。でも、彼女の父親が稼いでるだけで、ソフィアが何かしたってわけじゃないのに、威張らないで欲しいわよね」

溜め息をつきつつそう言うシンディーに、思わず苦笑する。

門をくぐると、ガーデンテラスに集まっていた人たちが、あたしたちに注目した。

「わお!キモノ!!ビューティフル!」

「まあ、ジェリー・ナイトのサラよ!まるでお人形みたい!」

口々に言いながらあたしたちの周りに集まる人たち。

その様子を徳井さんがビデオで撮影し―――

デジカメで写真撮影し始める人たちもいて、にわかに騒がしくなって来たころ。

「あら、来たのね、3人とも」

そう言って現れたのは、真っ赤なカクテルドレスを着たソフィアだった。

「ソフィア―――あの、お招きありがとう。こちらがママの真菜。ママ、彼女がソフィアよ」

ソフィアが、ちらりとママを見る。

その視線は、ちょっとした驚きと軽蔑を含んでいて―――

「はじめまして、ソフィア。今日は私までご招待いただいてありがとう。素敵なお家ね」

にっこりと微笑むママに、ふんと鼻で笑うソフィア。

「どうも―――。サラとそっくり!子供が2人、来たのかと思ったわ」

「あら、そんなに若く見えるなんて、光栄だわ」

嬉しそうに笑うママ。

周りでくすくす笑っている人たちもいたけれど、あたしにはわかる。

ママは、わざと嫌味に気付かない振りをしているんだ。


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