ママのスキャンダル!
オーディションは日本国内だけでも4ヶ所に分かれて行われていて、その4ヶ所それぞれで選ばれた2人までが全国大会に進み、8人の中から1人が選ばれる。

そしてその後アメリカの本大会に進み、そこで優勝した女の子がその役を手に入れられる・・・・というわけだ。

もちろん、オーディションは日本だけではなくアジア各国、それからアメリカでも行われ、本大会に進めるのはその各オーディションを勝ち抜いてきた10人。

そして、その10人の中から優勝者が選ばれるのだ。

夢みたいな話だ、と思った。

書類審査に受かっただけで有頂天になっていたのが、なんだか恥ずかしかった。

絶対無理。

そんな風に思ってトーンダウンしていると、オーディション会場についてきていたママが言った。

「すごいね。こんなにたくさんの人があの映画のファンなんだ。そんなすごい映画に出られたら、一生の思い出だね」

「―――無理だよ」

「そうかな?きれいな子もかわいい子もたくさんいるけど、チャンスはみんな平等でしょ?それに・・・・・」

ママが、あたしのほうを見てにっこりと笑う。

「ママには、沙羅が一番かわいく見えるよ」

―――親バカ

そう思わなくもなかったけど。

涙が出るほど嬉しかった。

受からなくてもいい。

精一杯がんばろう。

あたしはそう思って、オーディションに挑んだんだ・・・・・。

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