最後の恋はアナタの隣で
興奮してるユカリの言葉を流して、ドレスが掛けられてるハンガースタンドの前に立つと――何十着あるか分からないドレスの山に、思わず溜息が出そうになった。


正直、ドレスなんてどれも同じように見える。


ロングとショートの違いとか、生地や色の違いとかはあるけど、特別好きなデザインがあるわけでもない私には、同じようにしか見えない。


だから、適当に何も考えず、一番端に掛かってた黒のショートドレスを手に取った。


胸元にビーズの刺繍が施されていて少し派手だとは思ったけど、他のドレスも大して変わらないし、面倒だからそれを着る事にした。


「え!? もう選び終わったの!?」

「うん」

「他のもあるよ? 見ないの?」
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