最後の恋はアナタの隣で
「面倒臭いからいいよ」

私はそう言って、室内の隅にあった個室の扉を開けて中に入ると、早々と着替え始めた。



着替えてる私の頭の中には――というか、正確に言えばさっきからずっと――春樹さんの姿がチラついていた。


それが何でなのか自分でもよく分からない。

分からないけど、どうしても――あの妖麗な雰囲気が頭から離れてくれない。


……私は一体どうしたんだろう。


ユカリみたいに恋する乙女に――って、それはないか。


今まで彼氏どころか、誰かを好きになった事もない私は、自嘲的にフッと笑った。



「あー! どうしよう! 全然決めらんない!!」

着替え終わって個室から出ると、ユカリはまだドレス選びの最中だった。
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