最後の恋はアナタの隣で
「もう適当で良いんじゃない?」

「それは駄目! 絶対に駄目!」

「何で駄目なのよ?」

「だって、春樹さんに見られるんだもん!」

「……何だそれ」

私は呆れたように言って、テーブルの前に置いてあるパイプ椅子に腰をおろすと、鞄から煙草を取り出して口に咥え、火を点けた。


そして。


「……恋かぁ」

煙を吐き出しながらポツリと呟く。


「ちょっ、失礼ね! こんなに早く恋なんてしないから! そんな軽い女じゃないし!」

「ふーん」

「何よそれ! 嘘だと思ってんの!?」

「そんな事思ってないよ」

茶化されたユカリは耳まで真っ赤になっていて、すぐに図星だなと分かった。
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