最後の恋はアナタの隣で
それを聞いたリンはチラッと私に視線を向けると、


「知ってる。金髪のイケメンでしょ? 噂で聞いた」

そう言って――馬鹿にしたように鼻で笑った。


「……何か文句あんの?」

「……別に?」

明らかに喧嘩腰なリンに苛々して、私は眉間にシワを寄せる。


コイツは一体何がしたいんだろう。
何がしたくてこんな態度をとってるんだろう。


リンにこんな態度をとられる覚えなんて、私には欠片ほどもない。


更に険悪な雰囲気になった私とリンは再び黙り込み、それを見てようやく状況を把握したらしいミサキが、


「は、春樹さんだっけ? 優しい人って言ってたけど、ど……どんな感じの人なの?」

少し口篭りながら、重い雰囲気を一生懸命打ち消そうとする。
< 123 / 464 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop