最後の恋はアナタの隣で
仕事で疲れてるはずなのに、私を毎日学校に行かせる為に送り迎えをするって言ってくれた、優しい春樹さん。


そんな優しい人との付き合いを、何も知ろうともしてない奴に“遊ばれてる”って言われる筋合いは――絶対に、ない。



……気付けば私は椅子から立ち上がり、


「何すんだよ!! 離せよっ!!」

――…リンの髪の毛を掴んで引きずり回していた。


周りの目なんて考えられなかった。


いくら私にムカついてるからって、春樹さんとの付き合いまで侮辱したリンを、黙って許す事なんて出来なかった。


床に這い《はい》つくばって必死に抵抗するリンのお腹に加減なしで蹴りを入れると、リンの嗚咽《おえつ》に混じって数名のクラスメートの小さな悲鳴が聞こえた。
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