最後の恋はアナタの隣で
ユカリのドレス選びがようやく終わり、準備を整えて衣装部屋から出ると、


「二人とも、ドレスが似合ってますね」

長い時間待たされていたにも関わらず、春樹さんはそう言って優しく笑い掛けてくれた。


来た時と同じ廊下を戻りながら、春樹さんのその言葉に頬を赤くするユカリ。


それを見て呆れたように笑った私の心は――何でか分からないけどグラグラ揺れてて、……少しだけ苛々した。



バーカウンターに戻ると、そこにママの姿はなかった。


どこに行ったんだろうと思い、キョロキョロと辺りを見回していたら、


「源氏名は何にしますか?」

春樹さんに意味の分からない質問をされ、私は春樹さんに視線を向けた。
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