最後の恋はアナタの隣で
ミサキを怖がらせて、泣かせて、完全に裏切ってしまって――…私は一体、何をしてるんだろう。


堪らずミサキから視線を逸らすと、自分の机の横に掛けてある鞄を引ったくった。


「涼ちゃんっ……」

私を呼び止めるミサキの声が、心に深く突き刺さる。


ここまで壊してしまえばきっと――元には戻らない。


「……ウゼェよ」

私はミサキに心にもない言葉を吐き捨て、勢い良く教室を飛び出すと、靴箱まで無我夢中で走った。



ミサキに対する罪悪感も、後悔も、全部消し去ってしまいたい。


取り返しのつかない事をしてしまったって、そんな風に思いたくない。


……春樹さんの事が大切だから。


大切な人との付き合いを侮辱されたから。
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