最後の恋はアナタの隣で
だから私はあの二人を突き放したのに――その守ろうとした気持ちを、自分自身で汚したくない。


私がこの気持ちを否定して後悔するという事は、リンのあの侮辱の言葉を肯定して受け入れてしまう事に繋がる。


そんなのは――絶対に嫌だ。


靴箱に着くまでに見事に息があがってた私は、呼吸を整える事も忘れて、胸ポケットから携帯を取り出した。


この時間、春樹さんは絶対に眠ってる。


だけど帰る報告だけはしておきたくて、『今から帰る』と打ってメールを送信すると――寝てると思ってた春樹さんから着信が入った。


まさか掛かって来ると思ってなかった私は慌てて通話ボタンを押し、


『――まだ四時じゃねぇぞ？』

聞こえてきた春樹さんの眠たそうな掠れ声に、泣きたくなるくらい安心した。
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