最後の恋はアナタの隣で
“違う私”というか、それこそがきっと本当の私なんだろうけど、私は今まで一度だってそんな自分を他人に見せた事がない。


だけど、春樹さんには見せる事が出来る。

見てほしいって思ってしまう。


心を開いて完全に無防備な状態でいられる事が――物凄く心地好い。



「もう行かないと遅刻だ」

春樹さんはそう言って立ち上がり、私のお皿の上に乗っているウインナーを自分の口の中に放り込んだ。


急な出来事に私は思わず「酷い!」と叫び声をあげる。


「何が酷いんだ?」

「それっ! ウインナー! 最後に食べようと思って残してたのに!」

「ボケッとしてるから悪いんだろ。ウインナーくらいまた出してやるから行くぞ」

「それが良かったの! それを楽しみにしてたの!」
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