最後の恋はアナタの隣で
だからといって、そんな暗い雰囲気を醸し出してる私に、春樹さんが「休んで良いよ」なんて言ってくれるわけもなくて、


「……学校、本当に行かないと駄目ぇ?」

校門前に停められた車中、私は最後の賭けと言わんばかりに、ユカリを真似て甘ったるい声で春樹さんにそう言ってみた。


だけど。


「んな声出すな。店の女達みたいだぞ。気持ち悪い」

私の最後の賭けは、春樹さんの苦々しい声にバッサリと切り落とされる。


……やっぱり、選択肢は学校に行くという一択しかないらしい。


私は口を尖らせて車の扉を開けると、うな垂れて盛大な溜息を吐き出した。


学校の事となると春樹さんが悪魔に見える。

別に高校に進学するわけでもないんだから、学校なんて行かなくても良いのに。
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