最後の恋はアナタの隣で
「やめて」って言えば不機嫌な顔をされるし。

何も言わずに手でガードだけしたら、「感じ悪いな」って言われるし。


まじぶっ殺す――って、心の中で何度呟いたか分からない。

本気でノイローゼになるような気がした。



「――涼さん。乾杯お願いします」

「え? あ、はい」

接客を開始してどれ位の時間が経ったのか分からないけど、春樹さんに名前を呼ばれた私は、ユカリも一緒じゃない事に少し驚いた。


お客さんとご馳走様の乾杯をして、自分のグラスを持って席から立ち上がる。


そして、春樹さんと一緒にバーカウンターの前まで行くと、


「大丈夫そうですか?」

クルリと振り返った春樹さんに、そう聞かれた。


「何がですか?」

「ユカリさんと別々でも接客出来ますか?」
< 17 / 464 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop