最後の恋はアナタの隣で
そんな顔を間近で見た所為で悲鳴を上げてしまった私に対し、


「この間は、すいませんでした」

“ヤらせて男子”は謝罪の言葉と共に、深々と頭を下げた。


「え!? 何!? ていうか、その顔どうしたの!?」

パニックに陥った私は、早口で疑問を吐き出す。


だけど、“ヤらせて男子”はただ黙って私を見つめるだけで――私の疑問に答える気配はない。


……ふと、頭の中に嫌な予感が過った。

予感というか、絶対にそれしかないと思う。


「春樹さんの後輩に……あの人達に殴られたの……?」

恐る恐るそう聞くと、“ヤらせて男子”はフィッと視線を逸らす。


分かりやすいその態度に全てを察した私は、“ヤらせて男子”の痛々しい顔をまじまじと見つめた。
< 171 / 464 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop