最後の恋はアナタの隣で
だから余計に苛々した。

何で分かってくれないの?って苛々した。


いくら“乙女心”に鈍感でも、ここまで態度に出してるんだからいい加減気付いてほしい。


私は鈍感過ぎる春樹さんに我慢出来ず、今まで隠してきた嫉妬心をぶつけた。


「春樹さんの女友達の店になんて行きたくない!!」

こんな事を言うなんて最低だって分かってる。


“千秋”がただの友達だったとしても、それでも嫌だって思ってる自分を凄く醜い人間だと思う。


だけど、春樹さんの口から“千秋”の名前を聞くのは辛いし、“千秋”に会うなんて耐えられない。


だから我慢出来ずに、自分勝手な嫉妬心を押し付けたにも関わらず、


「あははははは!」

……春樹さんは何故か、涙を流すほど爆笑し始めた。
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