最後の恋はアナタの隣で
「何だ、そういう事か。可愛いな、お前は」

ひとしきり笑った後でそう言って、私の髪の毛をクシャクシャと撫で回す春樹さん。


その顔には、まだ薄っすらと笑みが残っている。


そして。


「大丈夫だ。今日、仕事が終わったら千秋の所に行くぞ」

……こんなにも嫌がってる私を、尚も“千秋”の所に連れて行こうとする。


「やだよ! 行かないって言ってるじゃん!」

「心配すんなって。行ったら怒るどころか、恥ずかしくなるから」

「絶対に行かない!」

「行かないなら、もう一緒に寝ないぞ?」

「え!?」

「どうする?」

「……ッッ」

そんなのズルイ――って思った。


だけど、ニコニコ笑ってる春樹さんが妙に怖くて、とてもじゃないけど反抗出来ない。
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